夏、かすむ~辨天湯LIVE〜

 7月半ば、夏の気配を感じる熱い夜。銭湯を舞台としたアートとミュージックのコンサートが催された。

浅草橋、弁天湯。
約30年前、現在のビル型銭湯に建てかえられた時にヒートポンプが導入された、エコ銭湯の先駆け的存在である。
そしてご主人の北島さんはアイデア豊富で寛容、じつに多彩なイベントがこの銭湯で催されている。
今回は、同じ台東区界隈で活躍する若手アーティスト、動物墨絵師・佐藤周作さんの仕掛けでライブが企画された。

 
はじまりは2017年春に、周作さんがライブペイントした弁天湯の墨絵。
かつての弁天湯に描かれていた「弁天様、滝、鯉」がモチーフの墨絵で、この弁天様のモデルになったのは、歌手のRayさん。
そして、弁天様の墨絵が飾られた弁天湯にRayさんを迎えてのコンサートと相成ったのが、今回のライブだった。

★Ray Akaikeさん(歌&ピアニカ)
★赤星ゆりさん (ミニピアノ)
★佐藤周作さん (墨絵)

会場は銭湯の浴室、ステージは湯船!背景は墨絵!!
いつもの銭湯ユーザーにとって、心躍る風景であることは言うまでもない。
また出演者のRay Akaikeさん、赤星ゆりさんのファンとして駆けつけた方も、会場がこのとおり銭湯となると、心躍るに違いない。
今日のライブをきっかけに、銭湯ファンがミュージシャンのファンになり、ミュージシャンのファンが銭湯好きになってしまう。
それを見守る墨絵がまた味わい深く、印象的。
それぞれが新たな魅力と出会う、こんな銭湯ライブって本当に素敵だと思う。
企画して下さった皆様に感謝!

 

それでは、主役の登場です。当日のライブの様子をどうそ!

浴衣姿の2人の登場に歓声。かわいい!!
ピアニカとミニピアノで、コンサートが始まった。
選曲は、お2人が銭湯や温泉で口ずさみたい歌たち。透き通る歌声が、銭湯の高い天井へ伸びていく。(マイクは無し!)
Rayさんのオリジナル曲も光っている。
普段から銭湯が大好きだというお2人なので、演奏する本人たちも楽しんでいることが伝わってくる。
総じて、空や星を見上げる歌が多かったのは… 銭湯や温泉に入ると、ついつい上を見上げてしまうという事を如実に表していると思った。
いやあ、大きなお風呂のように気持ちのいいコンサート!

 

最も盛り上がったのは、会場のみなさんと熱唱した「ばばんばばんばんばん♪」
そしてアンコールでは、飛び入りでフルート、パーカッション(ケロリン桶!)が加わって、もう一回みんなで「ばばんばばんばんばん♪」(笑)
楽しかったなぁ!
飛び入りの方、ニューヨークから、入浴に駆けつけました(笑)。とのこと。
佐藤周作さん、Rayさんをはじめ、今回の出演者のみなさんは、海外でも活躍する実力派なのだった。

 

銭湯に人がもっと集まるきっかけになる。銭湯から、お風呂だけじゃない温かみをもらうイベント。
お風呂に入ったわけじゃないのに、とっても温かい気持ちで、とっても爽快な気持ちで、弁天湯から上がった。

弁天湯(浅草橋)

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業態 銭湯
所在地 台東区浅草橋
地エネ種類 logo_04_heatpumpヒートポンプ
浅草橋の駅からスグ、23:30まで営業、シャンプー&石鹸備え付けと、きわめて便利な銭湯です。銭湯ランナーの方は荷物の一時預かりも歓迎。弁天湯の名前の由来となっている弁天様が入り口に鎮座しているので、目印にしてください。